SH療法とは|治療の流れQ&A


SH療法の症例

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SH療法の症例1

症例の提供者:SHTA松井理事

診療所の所在地:埼玉県行田市


①治療内容の説明

  • 患者:7歳7ヶ月 男児
  • 主訴:前歯の歯並びが気になる
  • 歯列咬合の状態(写真1):

上下顎ともに狭窄歯列弓であり、上顎は側切歯の十分な萌出スペースがなく将来的に叢生(歯並びが重なったり凸凹に生える状態)になる可能性がある。下顎はすでに4前歯が叢生となっており、犬歯の萌出スペースも不足している。正中(中心)のズレが認められる。

  • 治療内容:

  SH装置により上下顎の拡大治療を行なった。(写真2)
  特に前歯部においては、叢生の改善と永久歯の萌出スペースを確保するために、
  側方拡大のみならず、前歯部の前方拡大を積極的に行った。
  約2年後(写真3)には、歯列全体が拡大され、理想のアーチに近づいている。
  下顎前歯の叢生の改善、上顎前歯の萌出スペースが確保されつつあり正中のズレも改善してきた。
  その後、臼歯部(奥歯)の永久歯への交換期を迎え、12歳臼歯の萌出完了まで3〜4ヶ月ごとの経過観察を行なっている。(写真4)
    

②かかった期間

  拡大治療を行なった期間は、約5年5ヶ月

③かかった費用

  468,000円(検査料、定期管理料、消費税込み)

④副作用やリスク(治療のデメリット)

  • 取り外し式のため、装着しないと効果がでない。
  • 1日8時間以上の装着をしないと効果が期待できない。
  • 歯並び・噛み合わせの状態、装着時間の減少により、治療期間が長期にわたることがある。
  • 著しい歯のズレやねじれなどがある場合、一時的に他の歯列矯正方法に切り替えなければならないことがある 。
  • 装置を入れていない時間帯は、患者さん本人が「舌を上アゴに付ける」、「唇を閉じて鼻呼吸する」、 「よく噛んで食事をする」などの生活習慣への意識を持ち実行できなければ、長期の安定は難しいことがある。

SH療法の症例2

症例の提供者:SHTA長谷川理事

診療所の所在地:東京都日野市


●治療内容の説明

患者 6y11m女児

主訴 (写真1)主訴は乳歯が抜けてから上顎側切歯が出てこない。上顎正中があいている。

歯列咬合の状態 上顎側切歯の存在はレントゲンにて確認。上下ともに狭窄歯列のため、SH療法の適応と診断。SH装置で拡大と同時に上顎中切歯にスプリングを付け、正中を閉じる設計とした。

治療内容 3か月後には正中離開が治ったため、患者さんはやる気が出たそうである。被蓋が浅いため舌癖も疑われ、嚥下の状態を確認、指導を行った。側方のみならず、前方へもしっかり拡大を行った。(写真2)下顎Eが動揺し装置使用できない。上顎は犬歯のスペースがやや不足しているため、上顎のみ使えるまで装置を入れてもらう。4か月後、上顎の装置も外す。スペースの確保はできていると思うが、これを維持するためには呼吸、嚥下など機能を正しく行う必要があることを繰り返し説明。口唇閉鎖を意識してもらうため、りっぷる検査は来院のたびに行った(検査結果は悪くはないが、歯面の着色が認められ口唇閉鎖が習慣づけられていないと思われる)。永久歯への交換期は空隙があくことで、舌突出癖や片噛みになりやすいため、装置を入れていない間も継続して来院してもらった。永久歯交換を見届けて終了となった。 

(写真3)交換期に装置をはずして1y6m経過後

●かかった期間

2019/09/25SHA装着2023/01/11終了

●かかった費用

 457.580円 (基本料金、上顎装置修理、管理費、レントゲン)

 上記は2022/10までの費用。以降、SH療法に関しては無料。

●副作用、リスク

正しい口腔機能が身についていないと後戻りを起こしやすい

8時間の装着時間は守れない場合、患者さんの装着時間に治療期間が影響してしまう

装置や口腔内の清掃を徹底しないと、カリエスリスクが高くなる